julyjuly

日記だとか文学音楽に関してだとか創作物の断片だとかです。
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ユメ
こんな夢を見た。

   ***

わたしは死のうとしていた。

愛した男に裏切られた。ただそれだけのことだった。しかもそれも尤もな話で、最初からうまくいく筈はなかったのだ。わたしが求めたのは恋愛ではなく癒着だった、病的ともいえる程の。そしてその欲求は恐怖から生じていた。人生に対する恐怖だ。これで、これでなんとか生きていける、そんな思いを無意識のうちに相手に背負わせてしまっていた。うまくいく筈は無い。

わたしは死のうとしていた。美しい死に方はないかとしばし思案し、やはり入水することにした。泳げないわたしには丁度いい。手ごろな川が近所にあった。流れが速く、すぐ海に出る。

ある美しい月夜だった。わたしはそうっと川に入った。冷たさが身体を刺した。11月の水はやはり冷たいのだな、と思われた。また件の男が、わたしの頬に手をやりながら、おまえの顔は天使みたいだ、と言ったことも思い出された。しかし発見されるわたしの顔はそれとは程遠くなっているだろう。

仰向けに浮かび目を閉じた。件の男は悲しみもしないだろう。新しい女を抱きながら、厄介払いができたことを喜びはしても。もはや口惜しさも嫉妬も無かった。ただ、水になってしまいたかった。

そのままどれだけ時間がたっただろうか。ざわざわと騒ぐ声で目を開けた。川岸に人が集まっているのが見えた。周りは既にほの明るく、そしてわたしは生きていた。丁度潮の関係で流れの無い日だったのだ。

あんた大丈夫かい、と一人の男が大声で呼びかけてきた。「酔いを醒ましていたのです」と答えて川からあがり、川岸の道を歩き始めた。五里も歩いて、日常に戻った。

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あの、フィクションですよ、一応書いとくと。

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