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2005/6/9日記の転載あるいはエドワード・ゴーリー「おぞましい二人」について
『おぞましい二人』

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「これ、もの凄く良いから」と言いながら友人が貸してくれた、エドワード・ゴーリーの絵本を読む。「敬虔な幼子」「おぞましい二人」の二作。 これが、本当に良かった。久しぶりに、「それまで全く聞いたことの無かった、とても良いもの」に触れられて、嬉しい。友人よ、ありがとう。

まず、単純に、挿絵がとても良い。 子供の表情の奥の深さがたまりません。「おぞましい二人」の最初のページのハロルドの表情とか、「敬虔な幼子」に出てくる幼子の表情のあまりの敬虔さとか、ヤバい。笑う。

しかしそれ以上に、語られているものがたりが、素晴らしい。

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「おぞましい二人」は、子供を攫い、殺し続けた夫婦の話。
参考
http://www.bk1.co.jp/product/2509629
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4309268005/250-0530283-1685805

感想は……何を口に出しても嘘になりそうなので、何も言わないつもり……とかいいながら少し。

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誰かの心の闇を、直接に覗く事は出来ない。

ここに描かれている「おぞましい二人」の持つ心の闇は、「子供を殺すこと」によって万人が確認できるものとして具現化されたけれど、同様の闇はおそらくは世のほとんどの人間が持っている筈のものであり(もちろん程度の差はあれど)、そしてそのほとんどの人は、その闇を具現化せずに抱えたまま沈黙を守り死んでいくのだろうと思う。

この「おぞましい二人」は、不器用すぎて沈黙を守れなかっただけであり、この絵本に出てくる「モナ」は、今のわたしよりもう少しだけ不器用だったわたし、なのではないかと思った。

いや、殺人とか絶対しないけどさ!! まじで!! ありえんから! 一応言っとく!

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しかし、こんなことを考えはじめると、誰かに寄り添う事さえ、もの凄い恐怖となるのだ。子供を殺し続けた「おぞましい二人」の持つ以上の闇を、あなたはそこに抱えているのかもしれない。そしてきっとわたしは、あなたについて、ほとんど何も見極められないままに死ぬのだろう。

それでもわたしはあなたに寄り添う。同じように可視化されることのない深い闇と、あなたを強く求める心と、この悲しみを携えて。それがわたしの選択であり、人生に対する宣言だ。

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ちなみに、訳は、柴田元幸。 この人が翻訳する本って、いつも本当にセンスが良いと思う。力があるから、自分で何を翻訳するかを選べる訳ですね。ああ羨ましい。

彼のシンプルな訳文も結構好きです。わたくし、オースターやブコウスキーが好きなので、とてもお世話になっています。いつもありがとう、南無南無。エッセイなんかは絶望的に面白くないんですけれどね、この人(ごめんなさい)。

「自分で創作をしたいんだけれど、どうにも書けないから、自分の得意分野の能力を使って文芸に関わっている」とのこと。芸術家に憧れ続けて、でも芸術家には成れなかった学者。……気持ち、痛いほど分かります。

ちなみに、友人が彼の研究室に所属しているんだけれど、真面目に働く普通の良いおじさんらしいです。だろうなあ。

| なつき | 読書 | 23:43 | comments(0) | trackbacks(6) |
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